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暗号資産の税制改正2026をわかりやすく|分離課税・損失繰越・金商法移行

結論:大綱は「20%分離課税・3年損失繰越・金商法移行」を示した。ただし、まだ適用前

「2026年の税制改正で暗号資産の税金が変わる」というニュースを、できるだけやさしく整理します。結論から言うと、2025年12月19日に与党が公表した令和8年度税制改正大綱は、暗号資産について次の3点を方針として示しました。

  1. 利益を一律20%の申告分離課税にする
  2. 損失の3年繰越控除を認める
  3. その前提として、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す

ただし大事なのは、2026年6月時点ではまだ適用されていないことです。これらは「こう変える」という方針(大綱)であり、金商法改正の施行を前提に、その施行翌年1月1日以降——早ければ2028年から動き出す見通しです。それまでの利益は、現行どおり「雑所得・総合課税(最大約55%)」で計算します。「いつから・税率は」をピンポイントで知りたい人は20%分離課税はいつから?を、税金の全体像は暗号資産の税金 完全ガイドを参照してください。

この記事のポイント

- 今のルール(確定):暗号資産の利益は「雑所得・総合課税」。所得税+住民税で最大約55%。損失は他の所得と通算できず、繰り越せない。

- 大綱の方針(まだ提案):一律20%(所得税15%+住民税5%)の申告分離課税へ。損失は3年繰越

- 対象は「特定暗号資産」とする方向。国内の全銘柄が自動的に20%対象になるとは限らない。

- 適用の前提=金商法移行。暗号資産を「金融商品」として扱う改正の施行があって、はじめてその翌年から分離課税が動く。

- 取引業者に税務当局への取引報告書の提出義務を課す方向も示された。

これは「大綱(方針)」であって、まだ確定した制度ではありません

税制改正は「大綱 → 法案 → 国会で成立 → 施行」という段階を踏みます。本記事が説明する20%分離課税・3年繰越は、最初の「大綱」段階で示された方針です。適用日・対象範囲・最終的な条文は、必ず金融庁・国税庁の公式発表で確認してください。

そもそも「税制改正大綱」とは

税制改正大綱は、毎年12月ごろに与党(税制調査会)が公表する、翌年度の税制をどう変えるかの方針書です。これをもとに法案が作られ、国会で審議・成立し、施行されてはじめて「新しいルール」になります。つまり大綱はスタート地点であって、ゴール(施行)ではありません。暗号資産の20%分離課税も、現時点ではこの大綱で方向性が示された段階です。

何が変わる? 現行と大綱方針の比較

項目現行(2026年6月時点・確定)令和8年度大綱で示された方針(まだ提案)
所得区分雑所得・総合課税申告分離課税(特定暗号資産が対象)
税率累進(所得税5〜45%+住民税)で最大約55%一律20%(所得税15%+住民税5%)
損失の繰越不可翌年以後3年間の繰越控除(連年の確定申告が条件)
損益通算他の所得と通算不可分離課税の枠内で対象取引の損益を通算
取引報告取引業者に税務当局への報告書提出義務を整備する方向
適用時期金商法改正の施行翌年1月1日以降(早ければ2028年〜)

① 20%の申告分離課税(税率の話)

現行では、暗号資産の利益は給与などと合算して累進課税されるため、高所得帯では所得税と住民税で合計最大約55%になり得ます。大綱の方針では、これを上場株式などと同じ一律20%(所得税15%+住民税5%。復興特別所得税等は別)の申告分離課税に切り替えます。給与の多寡にかかわらず税率が一定になるのが分離課税の特徴です。

ただし対象は「特定暗号資産(金融商品取引業者の登録簿に登録された暗号資産等)」とする方向が示されており、手元の全銘柄が自動的に20%対象になるとは限りません

② 損失の3年繰越控除(マイナスの年の救済)

現行の雑所得では、暗号資産で損をしても他の所得と通算できず、翌年へ繰り越すこともできません。大綱の方針では、分離課税の対象となる暗号資産取引の損失について、翌年以後3年間にわたって将来の暗号資産取引の利益から差し引ける(繰越控除)ようにします。これには連年で確定申告を続けるなどの条件が付きます。価格変動の大きい資産で、損の年を救済する意味は大きい変更です。

③ 金商法(FIEA)への移行(なぜ①②が成立するのか)

①の20%分離課税が成り立つのは、暗号資産を株式・投資信託と同じ「金融商品」として扱うからです。現在、暗号資産は資金決済法上の「決済手段」と位置づけられており、これが「雑所得・総合課税」という重い扱いの根拠になっています。そこで、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正が前提として進められています。

この金商法改正が国会で成立して施行され、その翌年の1月1日から分離課税が動き出す——という順番です。だから「いつから」は金商法改正の施行時期に連動します。例えば改正案が2026年の通常国会で成立し2027年に施行されれば、2028年1月1日以降の取引分から、というのが一つの見通しです(いつから・税率の詳細はこちら)。

「2026年の利益も20%」ではありません

大綱が2025年12月でも、2026年・2027年に確定した利益は現行の雑所得・総合課税(最大約55%)で計算します。「改正が決まったから今年は20%」という誤解に注意してください。

では、いま何をすべき?

  • 今年の利益は現行ルールで申告する:20%を待たず、雑所得・総合課税で計算。申告の要否は20万円ルールで判定し、手順はスマホでの確定申告へ。
  • 記録を必ず残す:将来どの制度になっても、取引履歴・取得価額の記録は不可欠です。海外取引所を使うなら履歴の保存を早めに。
  • 続報を一次情報で追う:適用日・対象範囲・条文は、金融庁/国税庁の発表で確認。本記事も進展のたび同じ記事を更新します。

よくある質問

Q. 暗号資産の税金は、もう20%になったのですか? A. いいえ。2026年6月時点ではまだ適用前で、現行は雑所得・総合課税(最大約55%)です。20%分離課税は令和8年度税制改正大綱で示された方針で、金商法改正の施行翌年(早ければ2028年)からの見通しです。

Q. いつから20%になりますか? A. 金商法改正の施行翌年の1月1日からの見通しです。改正が2027年施行なら2028年1月1日以降が一つの見方ですが、国会審議の進み方で前後します(詳細)。

Q. 損失は繰り越せるようになりますか? A. 大綱では分離課税の枠組みで3年の繰越控除を認める方針が示されています。ただしこれも施行前の方針段階で、連年の確定申告などの条件が付きます。

Q. 自分の持っている銘柄はすべて20%対象ですか? A. 対象は「特定暗号資産(登録簿に登録された暗号資産等)」とする方向で、全銘柄が対象とは限りません。確定情報を公式で確認してください。

参考・出典

  • 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について(税制改正大綱における金融庁関係の主要項目)」2025年12月: https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
  • 長島・大野・常松法律事務所「令和8年度税制改正大綱②:暗号資産取引の分離課税」2025年12月: https://www.nagashima.com/publications/publication20251225-2/
  • 大和総研「暗号資産取引に20%の申告分離課税導入へ」2026年2月: https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/tax/20260206_025575.html
  • CoinDesk Japan「与党、暗号資産は『分離課税』へ、金商法施行の翌年から適用──税制改正大綱」2025年12月: https://www.coindeskjapan.com/329002/
  • 国税庁 No.1524「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1524.htm
  • 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い(FAQ)」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

税務・投資にあたっての注意

本記事は情報提供を目的とした教育コンテンツであり、税務助言・投資助言ではありません。税制は複雑で、改正もあり、個別の事情で扱いが変わります。本記事は2026年6月時点の公開情報に基づきます。実際の計算・申告・最終判断は、必ず国税庁金融庁の最新の公式情報や、税理士などの専門家にご確認ください。

空(Sora)
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暗号資産・ブロックチェーンの初心者向け解説を担当する編集者です。中立性と一次情報(出典)を重視し、やさしさと正確さの両立を心がけています。投資の勧誘や助言は行いません。 A crypto & blockchain editor focused on beginner-friendly, source-backed explainers. Neutral, never financial advice.

本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。