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仮想通貨は総平均法と移動平均法どっち?計算例で違いを比較|確定申告の選び方

結論
仮想通貨の総平均法と移動平均法はどっちが正解か——迷ったら、手間を最優先するなら「総平均法」、期中の損益をこまめに把握したいなら「移動平均法」です。 個人が何も届け出なければ自動的に総平均法が適用されるため、多くの人はそのまま総平均法で問題ありません。重要なのは、生涯の合計利益はどちらの方法でも同じで、変わるのは「どの年にいくら利益を計上するか」というタイミングだけ、という点です。節税の魔法ではなく、あくまで計算の順番の違いだと理解してください。
この記事のポイント
- 総平均法=1年分の購入をまとめて平均単価を出す。計算がラクで、届出なしのデフォルト。
- 移動平均法=購入のたびに平均単価を更新する。実際の損益に近く期中把握に強いが手間が多い。
- どちらを選んでも生涯トータルの利益は一致する。差が出るのは各年の計上額(タイミング)だけ。
- 移動平均法を使うには届出書の提出が必要。一度選ぶと原則3年間は変更できない。
総平均法とは
総平均法は、1年間(1/1〜12/31)に購入した同じ暗号資産の購入金額の合計を、購入数量の合計で割って平均取得単価を求める方法です。年末に一度だけ計算すればよいため手間が少なく、取引所の年間取引報告書との相性もよいのが特長です。国税庁のFAQでも、届出をしなかった個人は総平均法を採用したものとみなされます。
デメリットは、その年の後半に買った分まで平均に含まれるため、年の途中で売ったときの「実感としての損益」とズレやすいこと。含み損益が実際の値動きと直感的に合わないことがあります。
移動平均法とは
移動平均法は、暗号資産を購入するたびに、それまでの保有分と新たな購入分を合算して平均単価を計算し直す方法です。売却時点までに買った分だけで単価が決まるので、実際の損益に近い数字が出ます。デイトレードのように取引回数が多い人が「今この瞬間の損益」を正確に追いたい場合に向きます。
デメリットは、取引のたびに計算が必要で手間が大きいこと。取引回数が多いほど手計算は現実的でなくなり、損益計算ツールがほぼ必須になります。
同じ取引で計算を比較
言葉だけでは分かりにくいので、まったく同じ1年間の取引を両方式で計算してみます。
前提となる取引(ビットコイン)
| 日付 | 取引 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1/10 | 購入 | 0.5 BTC | 400万円 | 200万円 |
| 4/20 | 購入 | 0.5 BTC | 600万円 | 300万円 |
| 7/15 | 売却 | 0.6 BTC | 700万円 | 420万円 |
| 10/5 | 購入 | 0.4 BTC | 800万円 | 320万円 |
総平均法の計算 年間の購入合計=200万+300万+320万=820万円、購入数量合計=1.4 BTC。 平均単価=820万 ÷ 1.4 ≒ 585.7万円/BTC。 売却0.6 BTCの取得価額=0.6 × 585.7万 ≒ 351.4万円。 利益=420万 − 351.4万 = 約68.6万円。
移動平均法の計算 売却した7/15の時点で保有していたのは、1/10と4/20に買った1.0 BTC。 その平均単価=(200万+300万) ÷ 1.0=500万円/BTC。 売却0.6 BTCの取得価額=0.6 × 500万=300万円。 利益=420万 − 300万 = 120万円。
| 方法 | 売却分の取得価額 | この年の利益 |
|---|---|---|
| 総平均法 | 約351.4万円 | 約68.6万円 |
| 移動平均法 | 300万円 | 120万円 |
同じ取引なのに、この年の利益は総平均法で約68.6万円、移動平均法で120万円と差が出ました。理由は、総平均法が売却後(10/5)に高値で買った分まで平均単価に含めるからです。ただし10/5に買った分はまだ保有中で、その含みは翌年以降の売却で精算されます。つまり差は「先送りか前倒しか」であって、生涯合計は一致します。 総合的な確定申告の流れは仮想通貨の税金・確定申告ガイドも参照してください。
どっちを選ぶ?向き不向き
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 取引回数が少なく手間を減らしたい | 総平均法(デフォルトのまま) |
| 取引所の年間報告書で完結させたい | 総平均法 |
| 取引が多く期中の損益を正確に追いたい | 移動平均法 |
| 損益計算ツールを使っている | どちらでも可(ツールが自動計算) |
多くの個人投資家にとっては、届出不要でシンプルな総平均法が無難な選択です。年間の利益が20万円の確定申告ラインを超えるかを見極めたいだけなら、まずは総平均法で試算すれば十分でしょう。スマホだけで申告を済ませたい人はスマホでの仮想通貨確定申告の手順もあわせて確認してください。
届出と「一度選んだら継続」のルール
移動平均法を採用したい場合は、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を、その暗号資産を初めて取得した日の属する年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに納税地の税務署へ提出します(e-Taxで作成・提出が可能)。評価方法は暗号資産の種類ごとに選べるため、ビットコインは総平均法、イーサリアムは移動平均法、という組み合わせもできます。
重要
一度選んだ評価方法は原則として継続適用が求められ、変更するには別途「変更承認申請書」の提出が必要です。国税庁は、現在または過去の評価方法を3年以上継続して採用していることなどを承認の留意点として挙げています。つまり「今年は総平均、来年は移動平均」と毎年都合よく切り替えることはできません。
注意
本記事は税制の一般的な解説であり、個別の税務・投資助言ではありません。税額や有利不利は取引内容によって変わり、暗号資産の利益は原則として雑所得(総合課税)です。最終的な判断は必ず国税庁の最新情報を確認し、金額が大きい場合や複雑なケースでは税理士に相談してください。将来の利益や節税額を保証するものではありません。
よくある質問
Q. 届出をしないとどうなりますか? A. 個人の場合、届出をしないと自動的に総平均法を選択したものとみなされます。手間を減らしたいなら、あえて何もしないという選択も合理的です。
Q. 総平均法と移動平均法で、払う税金の総額は変わりますか? A. 生涯の合計では変わりません。 変わるのは各年の利益の計上タイミングだけです。年をまたぐと一時的に差が出ますが、保有分をすべて売却すれば合計は一致します。
Q. 途中で総平均法から移動平均法に変えられますか? A. 変更できますが、変更承認申請書の提出が必要で、変更しようとする年の3月15日までに申請します。現在の方法を3年以上継続していることなどが承認の目安とされ、毎年の自由な切り替えはできません。
Q. ビットコインとイーサリアムで別々の方法を使えますか? A. 使えます。評価方法は暗号資産の種類ごとに選定できるため、銘柄ごとに総平均法・移動平均法を使い分けることが可能です。
参考・出典
Sources
FAQ
- 届出をしないとどうなりますか?
- 個人の場合、届出をしないと自動的に総平均法を選択したものとみなされます。手間を減らしたいなら、あえて何もしないという選択も合理的です。
- 総平均法と移動平均法で払う税金の総額は変わりますか?
- 生涯の合計では変わりません。変わるのは各年の利益の計上タイミングだけで、保有分をすべて売却すれば合計は一致します。年をまたぐと一時的に差が出ることはあります。
- 途中で総平均法から移動平均法に変えられますか?
- 変更できますが、変更承認申請書の提出が必要で、変更しようとする年の3月15日までに申請します。現在の方法を3年以上継続していることなどが承認の目安とされ、毎年の自由な切り替えはできません。
- ビットコインとイーサリアムで別々の方法を使えますか?
- 使えます。評価方法は暗号資産の種類ごとに選定できるため、銘柄ごとに総平均法・移動平均法を使い分けることが可能です。
本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。