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暗号資産の利益は事業所得?雑所得?帳簿と300万円ルールで判定

結論から:個人の暗号資産(仮想通貨)の利益は、原則として「雑所得(業務に係る雑所得)」に区分されます。事業所得か雑所得かを分ける第一の軸は「その取引を記録した帳簿書類の保存があるか」です。帳簿の保存があれば原則として事業所得、保存がなければ原則として業務に係る雑所得として取り扱われます(所得税基本通達 令和4年改正・35-2)。よく見かける「収入300万円超かつ帳簿保存の両方が必要」というAND条件の説明は誤りで、300万円はあくまで補助的な目安です。
まず区分は「原則、雑所得」
暗号資産の売却益・決済益・交換益などは、給与など他の所得と区分され、原則として「雑所得」に該当します。そのうえで、事業として行っている実態があるかどうかで、事業所得になり得るかが分かれます。
要点
第一の分かれ目は金額ではなく「帳簿書類の保存の有無」。次に、社会通念上その活動が「事業」といえるか(営利性・継続性・規模など)で最終判断されます。
帳簿があるか・ないかで原則が変わる
所得税基本通達(令和4年改正・35-2)の考え方は次のとおりです。
- 帳簿書類の保存がある場合:原則として事業所得。ただし収入金額が僅少(例:その所得の収入がおおむね例年300万円以下で、かつ他の主たる所得に比べて僅少)など営利性が乏しい場合は、帳簿があっても雑所得として扱って差し支えないとされています。
- 帳簿書類の保存がない場合:原則として業務に係る雑所得。ただし収入金額が300万円を超え、その取引が事業と認められる事実がある場合は事業所得となり得ます。
つまり帳簿の保存があれば、300万円以下でも原則は事業所得です。300万円は主に「帳簿がない場合」の目安、および「帳簿があっても僅少で雑所得扱いにできる」例外の目安として登場するにすぎません。最終的には帳簿の有無だけでなく、社会通念上その活動が事業といえるかで判断される点に注意が必要です。
事業所得と認められると何が変わる?
事業所得と認められれば、他の所得との損益通算、青色申告特別控除、純損失の3年繰越といった取扱いが可能になり得ます。一方、雑所得(業務に係る雑所得)では、これらは原則として使えません。損失が出た年の申告実務は /articles/crypto-loss-tax-filing を、そもそもの課税の全体像は /articles/crypto-tax-japan-guide を参照してください。規模が大きくなった場合の個人と法人の比較は /articles/crypto-individual-vs-corporation-tax が参考になります。
重要
本記事は情報提供であり、税務・投資の助言ではありません。区分の判定は個々の事情によって結論が変わり得ます。最終的な判断は国税庁・金融庁の最新情報や、税理士等の専門家に必ずご確認ください。
よくある質問
Q. 収入が300万円を超えれば自動的に事業所得ですか? いいえ。300万円超は主に「帳簿がない場合」に事業所得となり得るかの目安であって、超えれば自動で事業所得になるわけではありません。事業と認められる事実があるかで判断されます。
Q. 帳簿があれば300万円以下でも事業所得になりますか? 原則としては事業所得として取り扱われ得ます。ただし収入が僅少で営利性が乏しいなどの場合は、帳簿があっても雑所得扱いとして差し支えないとされています。
Q. 帳簿はどの程度残せばよいですか? 取引の記録を継続的・整然と保存していることが前提です。具体的な保存方法や区分の当てはめは、税理士等の専門家に確認することをおすすめします。
関連:/articles/crypto-tax-japan-guide ・ /articles/crypto-loss-tax-filing ・ /articles/crypto-individual-vs-corporation-tax
Sources
FAQ
- 収入が300万円を超えれば自動的に事業所得ですか?
- いいえ。300万円超は主に「帳簿がない場合」に事業所得となり得るかの目安であって、超えれば自動で事業所得になるわけではありません。最終的には、その取引が事業と認められる事実があるかで判断されます。
- 帳簿があれば300万円以下でも事業所得になりますか?
- 原則としては事業所得として取り扱われ得ます。ただし収入がおおむね例年300万円以下で他の主たる所得に比べ僅少であるなど営利性が乏しい場合は、帳簿があっても雑所得として扱って差し支えないとされています。
- 事業所得と雑所得で何が変わりますか?
- 事業所得と認められれば、損益通算・青色申告特別控除・純損失の3年繰越などが可能になり得ます。業務に係る雑所得では、これらは原則として使えません。個々の判定は専門家に確認してください。
本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。