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新NISAで仮想通貨(ビットコイン)は買える?買えない理由と、税優遇に近い持ち方を正しく理解する

新NISAで仮想通貨(ビットコイン)は買える?買えない理由と、税優遇に近い持ち方を正しく理解する
写真: Fer1997 / Public domain

結論

新NISA(2024年開始の少額投資非課税制度)で、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)を直接買うことはできません。 理由はシンプルで、NISAで買えるのは「金融商品取引法上の有価証券」——つまり上場株式・投資信託・ETFなどに限られており、暗号資産はこれらとは別の「資金決済に関する法律(資金決済法)」で規制される別カテゴリーだからです。証券会社のNISA口座の商品ラインナップに暗号資産が並ぶことは、現行制度では制度上ありえません。

ただし「税優遇に近い形で暗号資産に触れたい」という発想には、いくつか現実的な整理の仕方があります。この記事では、なぜ買えないのかという制度理由から、米国で承認された現物ETFとの違い、そして2028年をめどに議論が進む「申告分離課税」の位置づけまで、初心者がつまずくポイントを順に解きほぐします。

この記事のポイント

- 新NISAの対象は有価証券(株・投信・ETF)。暗号資産は資金決済法上の別カテゴリーで対象外

- 米国では現物ビットコインETFが承認済みだが、日本では投信法上の特定資産に暗号資産が含まれず未承認(=NISAでも買えない)。

- 現状の暗号資産の利益は総合課税・雑所得(最大約55%)。株や投信のような分離課税ではない。

- 令和8年度税制改正で20%の申告分離課税が成立。適用は金商法改正の施行翌年(2028年1月が有力)から。

なぜNISAで暗号資産は買えないのか——制度の根っこ

NISAは「貯蓄から投資へ」を後押しするために作られた、有価証券への投資を非課税にする器です。金融庁のNISA特設サイトでも、対象は上場株式・公募株式投資信託・ETF・REITなど、金融商品取引法上の有価証券とされています。

一方、ビットコインをはじめとする暗号資産は、日本の法律上は「有価証券」ではありません。資金決済法という別の法律のもとで「暗号資産」として定義・規制されています。株式や投資信託を管轄する枠組みと、暗号資産を管轄する枠組みが最初から分かれているため、NISAという「有価証券のための非課税口座」に暗号資産が入る余地がない、というのが根本的な理由です。

これは「金融庁が意地悪をしている」という話ではなく、制度の設計上のカテゴリーの違いです。仮想通貨を始めること自体は国内の暗号資産交換業者(取引所)で普通にできますが、それはNISAとは完全に別の口座・別の税区分になります。始め方の全体像は日本で仮想通貨を始める手順ガイドにまとめています。

「投信なら買える」のでは? 現物ETFとの違い

ここで多くの人が期待するのが「ビットコインに連動する投資信託やETFなら、NISAで間接的に買えるのでは?」という発想です。実際、米国では2024年に現物ビットコインETFが承認され、証券口座で株のように売買できるようになりました。

しかし日本では事情が異なります。投資信託が組み入れられる資産(特定資産)を定めた投資信託法の施行令に暗号資産が含まれていないため、国内では現物の暗号資産を裏付けとする投資信託・ETFが組成・承認されていません。つまり「日本の証券会社で買える、ビットコイン現物ETF」は現時点で存在せず、当然NISAでも買えません。

項目日本米国
現物ビットコインETF未承認(投信法の特定資産に暗号資産が含まれない)2024年に承認・上場
NISA等の非課税口座で購入不可(米国はNISAとは別制度)
暗号資産そのものの購入国内交換業者で可取引所で可

なお、海外ETFや関連株を経由する方法を紹介する記事もありますが、それらは値動きの連動性・為替・信託報酬などの点で「ビットコインを持つこと」とは似て非なるものです。「NISAで税優遇を受けながらビットコインそのものを持つ」ことは、現状どのルートでも実現できないと理解しておくのが安全です。

暗号資産の税金は今どうなっている?

「NISAで持てないなら、せめて税金の扱いを知りたい」という人のために、現行制度を整理します。現在、暗号資産の売却益や決済益は、原則として「雑所得」として総合課税されます。給与など他の所得と合算され、累進税率が適用されるため、住民税と合わせて最大で約55%(所得税45%+住民税10%)に達しうる区分です。

これは、株式や投資信託の利益が原則20.315%(所得税15%+復興特別所得税+住民税5%)の申告分離課税で完結するのと大きく違う点です。NISAはこの分離課税の世界の「非課税版」であり、そもそも税区分が異なる暗号資産とは接続していません。計算方法や確定申告の実務は仮想通貨の税金ガイド(日本)で詳しく解説しています。

これは投資助言ではありません

本記事は制度・税制の一般的な解説であり、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、元本を割り込む可能性があります。税制は改正で変わり、個別事情によって取り扱いも異なります。最終的な判断の前に、必ず金融庁・国税庁の最新の公式情報を確認し、必要に応じて税理士等の専門家に相談してください。

2028年の「申告分離課税」——ここが誤解されやすい

将来に向けて重要な動きがあります。令和8年度(2026年度)税制改正で、暗号資産に20%の申告分離課税を導入する内容が成立しました。実現すれば、対象となる暗号資産の利益は現在の最大約55%の総合課税から、株式などと同じ20%(所得税15%+住民税5%、復興特別所得税を含めると20.315%)へと大きく下がり、3年間の損失繰越控除も設けられる見込みです。

ただし注意すべき点が2つあります。第一に、適用開始は「金融商品取引法等の改正法の施行の翌年1月1日以後」とされ、2028年1月が有力視されている段階で、まだ先の話です。第二に、対象は「特定暗号資産」に限られるなど条件付きで、すべての暗号資産・すべての取引が自動的に20%になるわけではありません。

そして最大の誤解ポイント——分離課税化=NISA対象化ではありません。分離課税は「利益への課税方法」の話であり、NISAという「非課税口座で買えるか」とは別問題です。もっとも、暗号資産を金商法上の「金融商品」として位置づける方向で議論が進んでおり、これが将来的にETF承認やNISA対象化の議論の土台になる可能性はあります。2028年の税制の詳細は2028年 暗号資産の申告分離課税の解説でまとめています。

区分現在2028年めど(成立済・施行待ち)
課税方式総合課税・雑所得申告分離課税(特定暗号資産)
税率の目安最大約55%約20%(20.315%)
損失の繰越不可3年間可の見込み
NISA対象か対象外依然として別問題(対象化ではない)

税優遇を意識するなら、現実的にどう考えるか

「買えない」で終わらせず、税制を踏まえた整理の仕方を挙げておきます。いずれも推奨ではなく、考え方の枠組みです。

  • NISAの枠はNISA対象商品で使い切る発想:新NISAは年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯1,800万円までの非課税枠があります。この枠は株式・投資信託・ETFのためのもの。暗号資産に使えない枠を惜しむより、対象商品で最大限活かすのが素直です。
  • 暗号資産は「別口座・別税区分」として切り分ける:本体は国内交換業者で購入・保有し、税金は雑所得(将来は分離課税)として別管理する、と割り切る。NISAと混同しないことが、確定申告のミスを防ぎます。
  • 将来の制度変更は「公式で確認」を習慣に:金商法・税制・ETFの議論は動いています。最新情報は金融庁・国税庁の一次情報で確認し、SNSや古い記事の「NISAで買える」といった誤情報を信じないこと。

よくある質問

Q. 楽天証券やSBI証券のNISA口座でビットコインは買えますか? A. 買えません。国内の証券会社のNISA口座で扱えるのは上場株式・投資信託・ETFなどの有価証券で、暗号資産は対象外です。暗号資産は証券会社ではなく、暗号資産交換業者(取引所)の口座で購入します。

Q. ビットコインETFなら日本のNISAで買えますか? A. 現時点では買えません。米国では現物ビットコインETFが承認されていますが、日本では投資信託法上の特定資産に暗号資産が含まれておらず、国内で現物ETFが承認・上場されていないためです。

Q. 2028年に分離課税になれば、NISAで買えるようになりますか? A. なりません。申告分離課税は「利益への課税方法」の見直しであり、NISAで買えるかどうか(対象商品の話)とは別問題です。ただし暗号資産を金商法上の金融商品と位置づける議論が進めば、将来的な制度変更の土台になる可能性はあります。

Q. いま暗号資産の利益にはどれくらい税金がかかりますか? A. 原則として雑所得の総合課税で、他の所得と合算され累進課税されます。住民税を含めると最大で約55%に達しうる区分です。詳細と計算方法は仮想通貨の税金ガイドを参照してください。

参考・出典

Sources

  1. 金融庁:NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」
  2. 金融庁:NISAを利用する皆さまへ(制度概要 PDF)
  3. 日本経済新聞:NISAの商品拡充、暗号資産の課税見直し 金融庁が要望へ
  4. 日本経済新聞:仮想通貨所得、20%分離課税に 28年から株式・投資信託並みに下げ
  5. 大和総研:暗号資産取引に20%の申告分離課税導入へ

FAQ

楽天証券やSBI証券のNISA口座でビットコインは買えますか?
買えません。国内証券会社のNISA口座で扱えるのは上場株式・投資信託・ETFなどの有価証券で、暗号資産は対象外です。暗号資産は証券会社ではなく暗号資産交換業者(取引所)の口座で購入します。
ビットコインETFなら日本のNISAで買えますか?
現時点では買えません。米国では現物ビットコインETFが承認されていますが、日本では投資信託法上の特定資産に暗号資産が含まれておらず、国内で現物ETFが承認・上場されていないためです。
2028年に分離課税になれば、NISAで買えるようになりますか?
なりません。申告分離課税は利益への課税方法の見直しであり、NISAで買えるかどうかとは別問題です。ただし暗号資産を金商法上の金融商品と位置づける議論が進めば、将来的な制度変更の土台になる可能性はあります。
いま暗号資産の利益にはどれくらい税金がかかりますか?
原則として雑所得の総合課税で、他の所得と合算され累進課税されます。住民税を含めると最大で約55%に達しうる区分で、株式・投資信託の分離課税(約20.315%)とは異なります。
空(Sora)
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暗号資産・ブロックチェーンの初心者向け解説を担当する編集者です。中立性と一次情報(出典)を重視し、やさしさと正確さの両立を心がけています。投資の勧誘や助言は行いません。 A crypto & blockchain editor focused on beginner-friendly, source-backed explainers. Neutral, never financial advice.

本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。