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仮想通貨同士の交換に税金はかかる?円にしなくても課税される理由【国税庁準拠】

結論
仮想通貨同士を交換すると、税金はかかります。 日本円に換金(円転)していなくても、BTCをETHに交換した時点で「BTCを売却して、その代金でETHを買った」とみなされ、BTCの値上がり益に課税されるのが国税庁の取り扱いです。つまり「円にしていないから非課税」は誤解です。課税されるのは含み益ではなく、交換によって確定した利益(取得価額との差額)で、原則として雑所得(総合課税)になります。
この記事のポイント
- 仮想通貨→別の仮想通貨の交換は「売却」とみなされ課税される(円転不要で課税)
- 課税対象は保有通貨の「取得価額」と「交換時の時価」の差額(値上がり益)
- 保有し続けている含み益には課税されない(交換・売却・決済で初めて確定)
- 原則は雑所得・総合課税で、他の所得と合算し最大約55%の累進税率
なぜ円にしていないのに課税されるのか
国税庁のタックスアンサー「No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」では、保有する暗号資産を他の暗号資産と交換した場合も、暗号資産の譲渡(売却)にあたるとされています。
税務上の考え方はこうです。BTCでETHを買うという行為は、
- まず保有しているBTCを時価で売却して日本円を得る
- その日本円でETHを購入する
という2つの取引を一瞬で行ったのと同じとみなされます。①の「売却」の時点で、BTCを買ったときの値段(取得価額)より価値が上がっていれば、その差額が利益として実現します。日本円が実際に手元を通過するかどうかは関係ありません。
この「交換=売却とみなす」考え方は、暗号資産で買い物をしたとき(決済)や、NFTを暗号資産で買ったときにも同じように適用されます。基本となる全体像は仮想通貨の税金・確定申告の完全ガイドで詳しく整理しています。
計算方法:いくらに課税されるのか
課税されるのは交換した通貨全体の価値ではなく、値上がりした分(利益)だけです。式はシンプルです。
利益 = 交換時の時価(=手放す通貨の売却額)− その通貨の取得価額
具体例で見る
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| BTCを買ったときの価格(取得価額) | 100万円 |
| BTCをETHに交換したときのBTC時価 | 150万円 |
| 実現した利益(課税対象) | 50万円 |
この例では、ETHに換えた瞬間に50万円の利益が確定します。ETHをその後まったく売っていなくても、この50万円はその年の所得として申告が必要です。仮にETHが値下がりしても、確定した50万円の利益はなくなりません。
なお、複数回に分けて買った通貨の取得価額は、総平均法または移動平均法で計算します(一度選んだ方法は継続して使います)。
「含み益」との決定的な違い
ここが最も誤解されるポイントです。
- 含み益(ホールドしているだけ)→ 非課税:BTCを買って保有し続け、値上がりしている状態。まだ何もしていないので課税されません。
- 交換・売却・決済で利益が確定 → 課税:BTCをETHに換える、円に売る、買い物に使う。この瞬間に利益が「実現」し課税対象になります。
| 状態 | 具体例 | 課税されるか |
|---|---|---|
| 保有し続けている | BTCを買ってウォレットに置いている | されない(含み益) |
| 別の通貨に交換 | BTC→ETH、ETH→SOL など | される |
| 日本円に売却 | BTCを売って円で出金 | される |
| 決済に使う | BTCで商品購入 | される |
| ステーキング報酬等の受取 | 報酬を受け取った時点の時価 | される |
つまり「交換」は、円に売るのと税務上まったく同じ扱いなのです。
うっかり課税の具体例
利益を円で受け取っていないため、納税資金が手元にないのに税金だけ発生する——これが暗号資産で最も怖いパターンです。
- 草コインへの乗り換え:値上がりしたETHをアルトコインに全額交換。ETHの利益は確定済み。その後アルトが暴落しても、確定した利益への税金は残る。
- ステーブルコインへの避難:急落を避けようとBTCをUSDTに交換。「損切り」のつもりでも、取得時より高ければ利益が実現し課税される。
- DeFi・DEXでのスワップ:分散型取引所でのトークン交換も交換=譲渡。取引所の年間取引報告書に載らないため、記録を自分で残さないと計算不能になりがち。
- NFTを暗号資産で購入:値上がりしたETHでNFTを買うと、ETHの譲渡益に課税される。
円が入ってこない取引ほど要注意
交換取引は日本円が入ってこないため、「利益が出ている」実感がないまま課税所得だけが積み上がります。年末に集計したら想定外の税額になり、しかも納税用の円は暗号資産に化けている——という事故が起きやすい領域です。本記事は一般的な税務の解説であり、投資助言でも個別の税務アドバイスでもありません。最終的な判断は必ず国税庁の最新情報を確認し、金額が大きい場合は税理士に相談してください。
確定申告と税率の基本
暗号資産の交換・売却で生じた利益は、原則として雑所得に区分され、給与など他の所得と合算する総合課税の対象です。税率は所得に応じた累進で、所得税・住民税を合わせると最大約55%になり得ます。
会社員などで暗号資産の利益を含む給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる場合があります(住民税の申告は別途必要)。ただしこれには条件があり、誤解も多いので仮想通貨の利益が20万円以下なら申告不要?の正しい理解で確認してください。また海外の取引所を使っていても日本居住者なら日本で課税されます。詳しくは海外取引所を使った場合の税金を参照してください。
税制改正の動きに注意
暗号資産を株式などと同じ申告分離課税(税率約20%)にする議論が進んでいますが、2026年時点では正式決定・施行はされていません。「暗号資産同士の交換は非課税、法定通貨との交換時に課税」という方向も検討段階です。適用時期や内容は流動的なので、必ず国税庁・金融庁の最新の公式発表で確認してください。
記録の付け方(これをやれば計算できる)
交換取引は取引所の日本円ベースの明細に出ないことがあるため、自分で記録を残すのが確実です。1回の交換ごとに、次を記録します。
| 記録する項目 | 例 |
|---|---|
| 日時 | 2026-06-15 14:30 |
| 手放した通貨・数量 | BTC 0.1 |
| 手放した通貨のその時の円時価 | 150万円相当 |
| 手に入れた通貨・数量 | ETH 3.5 |
| 手放した通貨の取得価額 | 100万円 |
| 手数料 | 0.0001 BTC 等 |
取引所が発行する年間取引報告書や取引履歴CSVを保存し、複数取引所・DEXを使う場合は損益計算ツールに集約すると、総平均法・移動平均法の計算が一気に楽になります。年をまたぐ前に集計する習慣をつけると、納税資金の確保も間に合います。
よくある質問
日本円に一度も換金していなければ税金はかかりませんか?
かかります。仮想通貨同士の交換は「保有通貨を売却してから別の通貨を買った」とみなされ、円に換えていなくても交換時点の値上がり益に課税されます。円転の有無は関係ありません。
交換して損をした場合はどうなりますか?
取得価額より低い時価で交換した場合は損失になり、その年の他の暗号資産取引などの雑所得の利益と相殺できます。ただし給与所得や株式・FXの利益とは損益通算できず、損失の翌年繰越もできません。
ステーブルコイン(USDTなど)への交換も課税されますか?
されます。ステーブルコインも暗号資産の一種で、BTCなどを取得時より高い時価でUSDTに交換すれば、その差額が課税対象の利益になります。
交換した後にその通貨が暴落したら税金は減りますか?
交換時点で確定した利益への課税は減りません。暴落による損失は、その通貨を売却・交換した年に別途損益として計上されます。利益の年と損失の年が異なると、税金だけ先に発生する形になります。
参考・出典
- 国税庁 No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係
- 国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について
- 国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ・PDF)
- 国税庁 No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係
- 三菱UFJ銀行 暗号資産(仮想通貨)の税金はいくらから?
投資にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動やハッキング、紛失等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任で、余裕資金の範囲で行ってください。税制・規制は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式の一次情報をご確認ください。
Sources
FAQ
- 日本円に一度も換金していなければ税金はかかりませんか?
- かかります。仮想通貨同士の交換は「保有通貨を売却してから別の通貨を買った」とみなされ、円に換えていなくても交換時点の値上がり益に課税されます。円転の有無は関係ありません。
- 交換して損をした場合はどうなりますか?
- 取得価額より低い時価で交換した場合は損失になり、その年の他の暗号資産取引などの雑所得の利益と相殺できます。ただし給与所得や株式・FXの利益とは損益通算できず、損失の翌年繰越もできません。
- ステーブルコイン(USDTなど)への交換も課税されますか?
- されます。ステーブルコインも暗号資産の一種で、BTCなどを取得時より高い時価でUSDTに交換すれば、その差額が課税対象の利益になります。
- 交換した後にその通貨が暴落したら税金は減りますか?
- 交換時点で確定した利益への課税は減りません。暴落による損失は、その通貨を売却・交換した年に別途損益として計上されるため、利益の年と損失の年がずれると税金だけ先に発生することがあります。
本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。