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Coinbaseとは?ナスダック上場・S&P500採用・日本撤退の経緯をわかりやすく解説

結論から:Coinbase(コインベース)は2012年創業の米国最大の暗号資産取引所です。2021年4月14日にナスダックへ直接上場(ティッカー:COIN)し、2025年5月19日には暗号資産企業として初めて米国の代表的株価指数S&P500に採用されました。一方、日本では2021年に金融庁登録を得て参入したものの2023年2月に撤退し、2026年7月時点で日本居住者向けのサービスは提供されていません。この記事では、同社の歴史・事業構造・日本との関係を事実ベースで整理します。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | Coinbase Global, Inc.(コインベース・グローバル) |
| 設立 | 2012年6月(米国) |
| 創業者 | ブライアン・アームストロング(CEO)、フレッド・アーサム |
| 本社 | 米国(2021年以降、特定の本社を置かない「リモートファースト」体制を公表) |
| 上場区分 | ナスダック上場(ティッカー:COIN)。2021年4月直接上場、2025年5月S&P500採用 |
| 主力事業 | 暗号資産の売買・カストディ、USDC関連収益、L2チェーン「Base」、デリバティブ(Deribit) |
この記事のポイント
- 米国最大の暗号資産取引所。2021年ナスダック直接上場、2025年5月にS&P500へ暗号資産企業として初採用
- 収益は取引手数料に加え、ステーブルコインUSDCの準備金利息の分配が第2の柱(Circleの上場申請書類では2024年に約9億ドルと開示・報道ベース)
- 2023年6月にSEC(米証券取引委員会)から提訴されたが、2025年2月27日に訴訟は取り下げられた
- 日本には2021年参入→2023年2月撤退。日本法人の交換業登録(関東財務局長第00028号)は一覧に残るが、2026年7月時点で日本居住者向けサービスは提供されていない
- 2025年5月には委託先経由の顧客情報流出事件も発生(顧客資産の流出はなし)
歩んできた道(歴史)
2012〜2020年:Y Combinator発のスタートアップから業界最大手へ
元Airbnbエンジニアのブライアン・アームストロング氏が、スタートアップ支援機関Y Combinatorの出資を受けて2012年に創業し、元ゴールドマン・サックスのフレッド・アーサム氏が共同創業者として合流しました。「規制に従う取引所」という路線を早くから選び、米国の個人・機関投資家の口座数を着実に伸ばしていきます。
2021年:ナスダック直接上場と日本参入
2021年4月14日、新株を発行しない直接上場(ダイレクトリスティング)方式でナスダックに上場しました。上場直後には時価総額が一時1,000億ドルを超え、「暗号資産業界の株式市場デビュー」として大きく報じられました。同年6月18日には日本法人Coinbase株式会社が暗号資産交換業者として金融庁に登録され、8月に日本向けサービスを開始しています。
2023年:日本撤退・SEC提訴・Baseの公開
2023年1月、市場環境の変化を理由に日本事業の停止を発表し、顧客は同年2月16日までに資産を引き出す形で撤退しました。日本参入からわずか約1年半での撤退です。同年6月にはSECが「未登録の証券取引所を運営している」としてCoinbaseを提訴し、業界の行方を左右する法廷闘争に発展しました。一方で同年8月9日にはイーサリアムのレイヤー2チェーン「Base」を一般公開し、上場企業として初めて自社のパブリックブロックチェーンを持つ会社になりました。
2025年:SEC訴訟取り下げ・S&P500採用・情報流出・Deribit買収
2025年2月27日、SECは訴訟を取り下げました。政権交代後に発足した暗号資産タスクフォースのもとで規制枠組みを見直すためであり、SEC自身が「主張の当否を判断したものではない」と明記しています。同年5月12日にはS&P500への採用が発表され、5月19日からDiscover Financialと入れ替わる形で構成銘柄になりました。暗号資産専業の会社としては史上初です。
ただし同じ2025年5月には、海外委託先のカスタマーサポート担当者が犯罪グループに買収され、約7万人の顧客の個人情報が流出した事件も発覚しました。同社は2,000万ドルの身代金要求を拒否し、逆に同額の懸賞金を犯人情報にかけています。顧客の暗号資産そのものは流出していませんが、対応費用は最大4億ドルと見積もられました。8月14日にはデリバティブ取引所Deribitの買収(総額29億ドル・暗号資産業界最大級のM&A)を完了しています。
事業・サービス(何で稼いでいるか)
- 取引手数料:個人・機関投資家の売買手数料が伝統的な収益の柱です。取引量に業績が連動しやすい構造です。
- USDC関連収益:米ドルステーブルコインUSDCの発行体Circleとの契約により、準備金の運用収益の分配を受けています。Circleの上場申請書類(S-1)によると、Coinbaseは自社プラットフォーム上に保管されたUSDCに対応する利息の100%、それ以外の残余収益の50%を受け取る仕組みで、Circleの上場申請書類(S-1)では、2024年のCoinbaseへの支払いが約9億ドルだったと開示されたと報じられています。
- Base:自社レイヤー2チェーン。取引所の外にオンチェーン経済圏を持つ戦略です。
- カストディ・デリバティブ:機関投資家向けの資産保管サービスと、Deribit買収で強化したオプション・先物事業です。
日本のユーザーとの接点
2026年7月時点で、Coinbaseの日本居住者向けサービスは提供されていません。ただし日本法人Coinbase株式会社の暗号資産交換業者登録(関東財務局長第00028号)自体は金融庁の登録一覧に残っています(取扱暗号資産の届出はなし・2026年6月30日時点)。本記事執筆時点でサービス再開の公式発表は確認できていませんが、動向は金融庁の登録一覧と同社の公式発表で確認してください。日本で取引所を選ぶときは、金融庁の登録一覧を必ず確認してください(金融庁登録済み取引所の確認方法)。
なお、Coinbase株(COIN)自体は米国株なので、日本の証券会社の外国株取引で売買される銘柄です(本記事は株式・暗号資産いずれについても投資推奨ではありません)。
リスク・注意点
- 業績の相場連動:収益の中心が取引手数料のため、暗号資産市場の低迷期には業績が大きく振れます。
- セキュリティ事件の実績:2025年5月の情報流出は「委託先の内部関係者の買収」という手口で、最大手でも顧客データが漏れうることを示しました。
- 規制環境の変化:SECの訴訟取り下げは規制方針の転換によるもので、将来の政権・規制次第で環境が再び変わる可能性があります。
- 日本から無理に使わない:日本から利用できない海外取引所を非公式な手段で使うことにはリスクが伴います。仮に海外取引所で利益が出た場合の税務も複雑です(海外取引所と日本の税金)。
まとめ
Coinbaseは「規制に従う」路線で米国最大に育った取引所で、2025年のS&P500採用はその到達点を示す出来事でした。同時に、日本からは使えないこと、2025年に情報流出事件があったこと、業績は相場次第であることも、並べて理解しておくべき事実です。日本で口座を開くなら金融庁登録済み業者の確認と取引所の選び方から始めてください。各国の規制の動きは規制トピックで継続的に追えます。
投資にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動やハッキング、紛失等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任で、余裕資金の範囲で行ってください。税制・規制は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式の一次情報をご確認ください。
Sources
- S&P Dow Jones Indices: Coinbase Global Set to Join S&P 500(2025年5月12日)
- SEC: Announces Dismissal of Civil Enforcement Action Against Coinbase(2025年2月27日)
- Coinbase公式ブログ: Halting Operations in Japan(日本事業停止の告知)
- CNBC: Coinbase says hackers bribed staff to steal customer data(2025年5月15日)
- The Block: Coinbase completes $2.9 billion acquisition of Deribit(2025年8月)
- Decrypt: Coinbase Takes 50% Share of Circle's Residual USDC Reserve Revenue(Circle S-1より)
- 金融庁: 暗号資産交換業者登録一覧
本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。